トンイのトゥンノンユチョ（謄録類抄）とは。なぜ奪い合ったの？

清国が禧嬪に要求したトゥンノンユチョ（謄録類抄）は軍事機密だった

トゥンノンユチョ（謄録類抄）は国境の兵の配置が記録されている軍事秘密です。

王妃となった禧嬪は自分の息子であるユンを、王位を継承する世子の地位に確立することを急いでいました。

世子になるには清国の承認を受ける必要があり、清国の高官は世子の承認を急がせる条件として、朝鮮王朝側の軍事機密が記録されているトゥンノンユチョを渡すよう禧嬪に要求します。

いわば裏取引ですね。

トゥンノンユチョは他国に渡すことなどあってはならない重要な書物ですが、禧嬪は息子・ユンのため、国家反逆罪級の裏取引に手を染めてしまうのですね。

義州は清国との国境にある街で、禧嬪の兄であるチャン・ヒジェがトゥンノンユチョを清国に渡す裏取引の舞台です。

また、都でチャン・ヒジェが差し向けた刺客に命を狙われて、重傷を負ったトンイが助けられて辿りつき、トンイの心強い味方となるシム・ウンテクと出会うのもこの義州です。

さらには、トンイが幼い頃生き延びるために王宮に入りたいと懇願し、掌楽院に入る手配をしてくれた恩人のソリともこの義州で再会を果たします。

チャン・ヒジェに捕まったトンイを助けるため、シム・ウンテクはトゥンノンユチョと引き換えにトンイの解放をチャン・ヒジェに持ちかけ、見事トンイは解放されました。

実はチャン・ヒジェに渡したトゥンノンユチョは偽物で、これもシム・ウンテクの機転です。

本物のトゥンノンユチョはトンイが義州から都に戻るときに、シム・ウンテクから渡されます。

シム・ウンテクの機転が大活躍した一件でしたね。

粛宗から承恩尚宮として任命を受け、王宮に戻ったトンイは、トゥンノンユチョを手に入れたい禧嬪が仕掛けた宴を利用し、ついに禧嬪を失脚に追い込むことに成功します。

トンイは、ショウガ汁を使った罠をトゥンノンユチョやトンイ自身の部屋に仕掛け、トゥンノンユチョを盗んだ犯人や、トゥンノンユチョを触った人間を見事に明らかにしました。

これにより全てが禧嬪の企みだと判明し、王妃としての失脚、前王妃である仁顕王妃の復位が決まったのです。

トンイの知恵により、一気に形勢が変わった逆転劇でしたね。